玉ねぎは、秋に苗を植えて、春に収穫する野菜です。九州・鹿児島のような暖かい地域では、11月に入ってから植えるのが基本で、関東や東北とは植える時期がずれます。
この記事では、玉ねぎの苗の植え付け時期を地域別に整理し、鹿児島県が示している作型(早どり・普通)の違い、よい苗の選び方、植え方、追肥から収穫までの流れをまとめました。
玉ねぎの植え付け・収穫時期(地域別の早見表)

| 地域 | 種まき | 苗の植え付け | 収穫 |
|---|---|---|---|
| 寒冷地 | 8月下旬〜9月中旬 | 10月下旬〜11月中旬 | 6月中旬〜7月上旬 |
| 中間地 | 9月上旬〜9月下旬 | 11月上旬〜11月下旬 | 5月中旬〜6月下旬 |
| 暖地 | 9月中旬〜10月上旬 | 11月中旬〜12月上旬 | 5月上旬〜6月中旬 |
家庭菜園アプリ「まきどき|うえどき」の元データ(アタリヤ農園の栽培情報)による目安です。北海道(寒地)は春まきで、種まきは4月、植え付けは6月、収穫は9〜10月です。
タキイ種苗の資料によると、本州の玉ねぎは9月に種をまき、11月に植え、春になって日が長くなると球が太りはじめます。北海道の品種は日の長さへの反応がちがうため、本州では使えません。苗を買うときは、本州向け(秋まき用)と書かれたものを選びましょう。
鹿児島県の作型:早どりと普通で時期がちがう
鹿児島県の「有機百培」には、暖地の玉ねぎの作型が、収穫の早さ別に載っています。
| 作型 | 種まき | 定植(苗を植える) | 収穫 | 資料にある品種 |
|---|---|---|---|---|
| 早どり(マルチ) | 9月上旬〜中旬 | 10月下旬〜11月中旬 | 2月下旬〜4月中旬 | 貴錦、濱の宝、春香、浜笑(暖地向け) |
| 普通(露地・マルチ) | 9月中旬〜下旬 | 11月上旬〜中旬 | 5月〜6月 | 錦毬(各地向け) |
| 普通(露地・マルチ) | 9月中旬〜下旬 | 11月上旬〜中旬 | 5月上旬〜下旬 | アンサー(中部以南向け) |
出典:鹿児島県「有機農業の手引き『有機百培』」たまねぎの項。品種名は同資料に載っているものです。苗のお店で売っている品種はこれと同じとは限りません。
長崎県の資料でも、早出しタマネギは9月中旬に種をまいて11月上旬に植え、収穫は4月〜5月、普通タマネギは9月下旬に種をまいて11月下旬〜12月上旬に植え、5月下旬〜6月上旬に収穫する作型が基本とされています。上の表と同じ流れです。
よい苗の選び方:太さは「割りばし」くらい
玉ねぎは、苗の大きさで結果が大きく変わります。鹿児島県の資料では、適正な苗は次のとおりです。
- 茎の直径:3〜7mm(割りばしの太さが目安)
- 草丈:25〜30cm
- 避けたい苗:茎の直径が8mm以上の大きすぎる苗、小さすぎる苗、曲がった苗
大きすぎる苗は、とう(花茎)が立ったり、球が分かれたりしやすくなります(鹿児島県、タキイ種苗)。反対に小さすぎる苗は、球が十分に太りません。長崎県の資料も、大苗の早植えがとう立ちの最大の原因だと書いています。
植え方:深さ3cm、根が出ないように
- 苗の根をなるべく切らないように掘り取り、植えるまで乾かさない
- 深さ3cmほどで、根が出ないように植える(浅いと、冬に霜柱や凍結で浮き上がる)
- 間隔:株間15cm・条間20cm、畝幅150cmに5条(鹿児島県の作式)。長崎県の黒マルチ栽培は、株間10cm・4条です
- 雑草が多い畑では、黒いマルチを使うと雑草を抑えられる
- 冬のあいだも、土が乾きすぎたら水をやる(鹿児島県の資料では、冬の水やりの効果が大きいとされています)
植えてから収穫までの月ごとの流れ(暖地・普通の作型)
| 時期 | やること |
|---|---|
| 11月〜12月上旬 | 苗を植える。植えて15〜20日ごろに1回目の追肥(長崎県の資料) |
| 1月 | 追肥(長崎県の資料。タキイ種苗では、貯蔵向けの中晩生種は1月上旬に1回目) |
| 2月下旬〜3月上旬 | 最後の追肥。根が育つ盛りの3月上旬までに終える(長崎県の資料) |
| 3月以降 | 排水をよくする(鹿児島県の資料)。べと病に注意し、冬を越した病気の株は抜き取る |
| 5月〜6月 | 葉が倒れたら収穫のサイン。倒れて約1週間後が収穫の目安(タキイ種苗) |
追肥は、遅すぎても多すぎてもよくありません。タキイ種苗の資料では、止め肥の遅れは病害虫を呼び、玉のしまりも悪くなるとされています。長崎県の資料も、3月ごろに窒素が極端に足りなくなるとう立ちが増えると書いています。「腹八分目」を心がけましょう。
収穫と保存
- 収穫の目安:葉が風がなくても倒れたら成熟のしるし。倒れて約1週間後に、晴れた日に収穫する(タキイ種苗)
- 干す:収穫後は1〜2日、天日で干す
- 保存:雨のあたらない風通しのよい場所に、5〜10球ずつひもでしばってつるす
- 収穫が遅れると、皮が割れたり病気が出たりしやすくなります(タキイ種苗)
植えたら、日付を記録しておこう
玉ねぎは、植えてから収穫まで約半年かかります。追肥のタイミングも、植えた日が基準になります。家庭菜園アプリ「まきどき|うえどき」では、お住まいの都道府県を選ぶと、玉ねぎの種まき・苗の植え付け・とれる時期が地域に合わせて見られます。「わたしの野菜」に入れて、植えた日を記録しておけば、来年の目安にもなります。無料で使えます。iPhone は App Store、Android は Google Play で「まきどき」と検索してください。
出典
- 鹿児島県「有機農業の手引き『有機百培』」有機野菜栽培事例(葉茎菜類)たまねぎの項:https://www.pref.kagoshima.jp/ag04/sangyo-rodo/nogyo/gizyutu/kankyo/yuuki/yuukihyakubai.html
- 長崎県「環境保全型農業技術体系」タマネギ(早生・普通):https://www.pref.nagasaki.jp/e-nourin/nougi/section/03reclaimed_land/tebiki2011/118.pdf
- タキイ種苗「野菜栽培マニュアル」タマネギ:https://www.takii.co.jp/tsk/manual/tamanegi.html
- 地域別の時期:まきどき|うえどき(アタリヤ農園の栽培情報をもとに作成)
時期はその年の気温や畑の場所で前後します。苗の袋やお店の表示も、あわせて見てください。
確認日:2026年10月15日(鹿児島県・長崎県・タキイ種苗の資料で確認)




